蛇研裏話
(一財)日本蛇族学術研究所のスタッフが書きまくる、表からは見えない面白話を更新中!!
ちょっと気分のいい出来事
以前、ギャラリーにも載せましたが、上の写真は9月の下旬に福島からわざわざ持ってきていただいた斑紋のないマムシです。下の写真は何年か前に入手した褐色のマムシですが、エサを1度食べずに死んでしまいました。福島のマムシもセンターにやってきて1度もエサを食べてくれませんでしたが、先日はじめてマウスを食べてくれました。来てからほぼ4ヶ月です。

マムシは比較的飼育しやすいヘビですが、捕獲時に荒く扱われると他のヘビと同じように拒食することがあります。今回も同じように餌を食べずに死んでゆくのかと思いましたが、あまり期待せずに解凍したマウスをケージに入れておくと、いつのまにか食べていました。非常に珍しい色彩のマムシなので、なんとか生かしておきたいという思いがありました。これで少し安心です。

以前も東京で押収してきたペットの毒蛇、51匹の中にいたアフリカ産ブームスランの1匹が、試行錯誤を繰り返して、5ヶ月後にようやくエサを食べたときもうれしかったです。このヘビはほとんど日本に入ってこないヘビで、しかもヤマカガシと同様の後牙類で、唯一血清の作られている毒の強い危険なヘビです。
私がヤマカガシ毒を研究し始めたときに、このヘビの毒の研究論文をいくつも読んで、実験方法など研究の参考にしたヘビで、私としては思い入れのあるヘビです。(2008,12,29に記事があります)

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何もこんな時に・・・
今朝から、スネークセンターは降雪。
これを書いている時でも、ずいぶん落ち着いていますが、
それでもまだ、雪混じりの雨といった天気です。
この辺は、積雪することはあまりありませんが、
園内には一部積雪しやすい場所があります。
それが第2(大蛇)温室とマムシ放飼場の間の道。
今朝は、その除雪のために早めに出勤。
案の定、その場所だけ積雪。
温室のボイラーの灯油を給油する際に、
給油のトラックがスリップするといけないので、
ここだけは雪が降った場合に確実に除雪します。
その除雪作業をしている時、ふと雪の上に何かを発見。
一見、1mmほどの太さの紐のようなものが1本落ちています。
長さは1mも無いでしょう。
ちょっとくねくねとまとめて落ちている感じでした。
その時には、こんなしょーもないものをカラスか何かが持って来て
落として行ったんだろうな、
なんて思いつつ、その物体も一緒にして除雪したのですが、
その次の瞬間。。。
グニャ・・・
動いた!?
よく見たら、その物体の正体は、何とハリガネムシ。。。
しかも除雪の最中にもう1匹発見。。。
なぜこんな所にいたのか、未だに謎ですが、
真っ白い雪の上にゆっくりとグニャグニャ動くハリガネムシ。。。
すごくシュールな感じでした。

by のら
中国視察旅行3
 中国の視察では上海動物園に行きましたが、あまり時間がなかったので、ハ虫類館だけ見てきました。写真のようにきれいで、ゆったりとした展示になっています。ヘビの展示はあまり多くありませんでしたし、中国のヘビだけではなく、私たちにとっては珍しいヘビはいませんでした。ただ、展示されているキングコブラは体全体が黒く、このような色彩のキングコブラは初めて見ました。日本に入ってきているキングコブラはほとんどがタイなどからで、色彩変異は少なく、茶色一色ですが、以前中国から入ってきたキングコブラは横縞がはっきりしていました。展示されていた個体は、頭だけ茶色、体はほとんど真っ黒で、今まで見たことのない色彩でした。体格はよく、かなり精悍な顔をしていました。
 1995年に広西医科大学の救急部のドクターが、血清の製造などの研修のため当研究所に1年間滞在していました。その後、大学に招かれて、当時一緒に研究をしていた筑波大学の救急部の部長と一緒に中国へ行き、大学で講演をしました。私は「日本の毒蛇咬症」、筑波大の先生は中毒学が専門で、「日本における中毒の現状」について話をしました。もちろん日本語です。そこの医学部長は大阪大学で博士号をとり、日本語はぺらぺらでしたので、通訳をしてくれました。
 その後、兵馬俑のある西安にある軍の研究施設で開かれた蛇学会で話をしました。日本の爬虫両棲類学会とはちょっと違い、実際には蛇利用学会で、蛇の生物学的な研究というより蛇の漢方的な利用や蛇毒の薬としての利用などが主です。この学会の雑誌には蛇肉の価格も書いてあって、キングコブラの肉がやはり一番高価でした。ただ、実際にヘビを食べているのは中国でも南の方で、北の方は大きなヘビはいませんし、食料とはしないようです。

by A.S.

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中国視察旅行2
9月始めに中国のマムシ飼育施設へ視察に行きました。視察については9月11日に1度書きましたが、2度目の報告をしたいと思います。
上海から車で数時間の所にあるマムシの飼育施設では、小さなプール状の囲いの中に写真のような板を重ねたマムシの隠れ家を置き、飼育していました。このプールが10以上あり、多いときには1つのプールに2000匹ほど飼育しているということでした。ここではもちろんヘビを展示しているわけではありませんので、ヘビを飼育するのに適した環境にできます。ほとんどのヘビは隠れていて、水を飲みに出てきたようなヘビ以外は見えません。

下の写真は、総排泄口(肛門)から先の曲がった針金を突っ込んで、消化管を引っ張り出しているところです。非常に多くのマムシが見えていますが、実際にはこの2倍くらいのマムシがいました。マムシそのものは乾燥して漢方薬として使われますが、消化管も捨てられるのではなく、別の商品となるようでした。

これらのマムシは広い中国でもある程度限られた地域で捕獲されますが、それでも日本とは桁外れに多くのマムシが今でも捕れるようです。ちなみに中国には数種類のマムシが生息していますが、これらはみなタンビマムシ(Gloydius brebicaudus)で、日本に漢方薬の原料として入ってくるのはこのヘビです。

By A.S.

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謹賀新年
皆様、あけましておめでとうございます。
本年も、ジャパンスネークセンター、(財)日本蛇族学術研究所そして蛇研裏話ともどもよろしくお願いいたします。

by (財)日本蛇族学術研究所職員一同
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