蛇研裏話
(一財)日本蛇族学術研究所のスタッフが書きまくる、表からは見えない面白話を更新中!!
今年最初のマムシ咬症問い合わせ
昨日、四国の病院からマムシ咬症の問い合わせがありました。今年初めてです。最近まで寒い日が続いていましたが、ようやく暖かくなり、本来ならヘビが出ていてもよい時期ですが、今年はなかなか見られません。数日前にはマムシを何匹も持って来られ、先日の日曜日にもペットボトルに1匹マムシを入れて持ってこられました。群馬でもマムシが出てきましたので、西日本ではもちろん出てきていると思います。

マムシ咬症は、群馬では5~9月に見られますが、西日本では4~10月と少し発生の期間が長くなります。これから農作業も行われるようになりますので、咬まれる危険が高くなります。今回の患者は高齢者で、しかも腫れの拡がりも速いようでした。

昨年も大人だけでなく、小学生や幼児もけっこう咬まれていますので、これからは自然公園や川岸などではあまり草むらに入らないようにしてください。

先日は他の研究員が小学校で講演をしてきましたし、5月にはある県からの依頼で自然公園管理責任者の研修に行きます。また、7月の中毒学会では毒蛇咬症について教育講演もすることになっています。その他、何件か研修や講演の依頼が入っています。こちらとしてはこのような機会が増えることはうれしいのですが、所長がいなくなって仕事がほとんど2倍になっている状態なので、少しきついものがあります。

これからヘビや咬症に関する問い合わせが増えてきます。夏には夜間にも緊急の連絡が入ることもあります。時間外には留守番電話で緊急連絡先をお知らせしていますが、以前のようには短時間でメッセージが流れません。10回ほど鳴らないとメッセージが流れませんので、切らないで少しがまんして待ってください。ただし、時間外にかけてくるのは緊急の場合だけにしてください。まれにヘビに関する質問などをしてくる方もあり、ぐっとこらえて話を聞く場合もありますが、「明日にしてください」と少し冷たくすることもありますので、その点はご了承ください。

By A.S.
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マスコミ不信
先日、某テレビ局の取材があり、インタビューという形で話題になっているアミメニシキヘビの話をしました。しかし、番組を見てびっくりしました。私が話していない、しかも非常に変な話を、あたかも私が話したように私の写真の下に文字として出ていました。私が話をしている映像では、もちろんそのまま話していることが聞こえますので、変なことを言っていればわかります。でも、私の写真が出ているときに文字が流れれば、私が言ったことでなくても、当然私が言っていることとして受け取られます。

今までの取材や撮影では、勝手に話を作られたことはありませんでしたが、ここまでいいかげんな作り話をされると非常に迷惑です。毒蛇咬症が専門ですが、30年以上も飼育をし、研究者としての立場で責任を持ってものを言っているわけですので、非常に心外です。
1度しか見ていませんであまり覚えていませんが、1つは「2mヘビは2m、6mのヘビは6m攻撃できる」などというナレーションが入っていたと思います。攻撃できる距離は、種類にもよりますが、せいぜい半分ほどです。

昨日も1つ撮影がありましたし、他にも来るかもしれませんが、きちんとチェックして嘘の情報を流されないように気をつけたいと思います。

*後日指摘がありましたので、訂正いたします。
「2mのヘビは2m・・・・」ではなく「1mのヘビは1m・・・」でした。また、これはナレーションやテロップではなく、私から聞いたことのようにアナウンサーが話していました。

By A.S.
アミメニシキヘビに咬まれて死亡?
事件の翌日、日曜日にはマスコミからの問い合わせは2件ほどしかなかったのですが、16日(月)にはかなり問い合わせがあり、さすがに忙しくて大変でした。夕方5時過ぎからはテレビ局の撮影も入り、かなり慌ただしい1日になりました。

今まで、動物園やサファリではトラやゾウに飼育員や入園者が殺されたことはありました。猛獣はスピードが速く力もあり、また、動物の方から襲ってくることがあります。ヘビの場合は、違法に飼育していた毒ヘビ、グリーンマンバやアマガサヘビ、ヒメガラガラヘビなどに咬まれる事故は時々起きています。飼育員がタイコブラに咬まれて呼吸麻痺を起こした例や指を切断した例もあります。ただ、死亡した例はありませんでした。しかも、ニシキヘビとはいえ無毒ヘビに咬まれて死亡する事故が起きるとは思いもよりませんでした。

このような事件があると、違法に飼育していたヘビを捨てる人がいるのではないかと心配です。2008年のグリーンマンバに咬まれた事件の後に、多くのボアコンストリクターが屋外で見つかりました。かなり話題になったため、警察に見つかる前に外に放したのではないかと思われます。
違法に飼育している人は、黙って屋外に捨てないで当センターに連絡してください。

By A.S.
ニシキヘビに咬まれて人が死ぬ?
昨日、とあるテレビ局から電話があり、6.5mのアミメニシキヘビに咬まれて人が死んだ事件で、問い合わせがありました。しかも日本で。確かにアフリカニシキヘビなどでは人が呑まれたというのはありますし、アメリカのエバーグレーズ国立公園では捨てられた?ビルマニシキヘビが数万匹に増えているようです。そのビルマニシキヘビに2歳の子が巻かれて死んだという事故もあるようです。

アミメニシキヘビはビルマニシキヘビやボアコンストリクターなどと違ってかなり攻撃的なので、ペットとしては向いていませんが、飼育している人はいるようです。ただ、攻撃するために咬んできても、エサとして認識していなければ巻くことはありません。しかし、長く飼育しているヘビだと人が近づいただけでエサをもらえると思って反射的に咬みついてくることがあります。実際に巻かれて絞め殺されたのかどうかは検死しないとわからないと思いますが、咬まれた跡があるようなので絞め殺されたのかもしれません。
6mを超えるようなニシキヘビにエサとして締めつけられれば、おそらく大人でも抵抗するのは難しいかもしれません。自然の中では人より大きくて力のある動物も食べているわけですから。しかも毒はなくてもこの大きさのニシキヘビであれば歯の長さは1cm以上あり、それが数十本も体に食い込むわけですから、ニシキヘビに咬まれたことのある人はそのすごさが想像できるかもしれません。そのような人はあまりいないと思いますが。

私はまともに咬まれたことはありませんが、3m程度のビルマニシキヘビの治療の時だったか、首をつかまえていて歯が1本引っかかったことがありました。それだけでもかなり大きなアオダイショウなどに咬まれたよりも痛い思いをしました。

亡くなった人はペットショップを経営していて、ある程度ヘビの扱いには慣れていたと思いますが、種類によってはかなり気をつけなければいけないのは事実です。このような事故があるとヘビに対するイメージが悪くなってしまうのが少し残念です。

By A.S.

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死にかけたブームスラン
採毒室で展示しているブームスランが脱皮不全になったため、強制的に脱皮をさせるためにしばらく水につけておきました。それだけで脱皮するヘビも多いのですが、今回はそれでも脱皮しませんでした。コブラやハブでもそのままつかまえて脱皮させるのですが、ブームスランは非常に動きの速い危険なヘビなので、炭酸ガスで麻酔をして捕まえることにしました。

脱皮させるのは比較的楽にできましたが、あまり長く麻酔したわけではないのになぜか呼吸がもどってきません。炭酸ガス麻酔は、麻酔の容器からヘビを出せば、呼吸を始めて、比較的短時間で回復します。危険なマンバの採毒の時などにも使っています。ただ、体力の落ちているヘビなどでは、回復に時間がかかることもあります。そのような場合には、ヘビにも人工呼吸を行うことがあります。

ヘビの頸をつかんで腹側を上にして台の上に置き、体前方3分の1の部分を軽く圧迫すると肺の空気が出ていきます。口の中の気管が開いていれば、圧迫するのを止めれば空気が肺に入ってきますので、これを何回か繰り返せば回復します。麻酔がかかりすぎていると気管が開かず、空気は出ても肺に入ってこないことがあります。このような場合には、気管にチューブを突っ込んで、空気が入るようにしなければなりません。今回は全く気管が開かなかったのでかなり焦りました。

2008年のペットのグリーンマンバに咬まれた事件で押収してきたヘビで、来てから数ヶ月拒食していたのをなんとか食べるようにして、今では非常によく食べてくれます。少し苦労して飼育してきたヘビなので、そう簡単に死なせるわけにはいきません。麻酔のかけ過ぎには注意しましょう。

ちなみに下の写真は同じ個体なのですが、来たときには茶色だったのが、なぜか今では真っ黒になってしまいました。

By A.S.

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