蛇研裏話
(一財)日本蛇族学術研究所のスタッフが書きまくる、表からは見えない面白話を更新中!!
死にかけたブームスラン
採毒室で展示しているブームスランが脱皮不全になったため、強制的に脱皮をさせるためにしばらく水につけておきました。それだけで脱皮するヘビも多いのですが、今回はそれでも脱皮しませんでした。コブラやハブでもそのままつかまえて脱皮させるのですが、ブームスランは非常に動きの速い危険なヘビなので、炭酸ガスで麻酔をして捕まえることにしました。

脱皮させるのは比較的楽にできましたが、あまり長く麻酔したわけではないのになぜか呼吸がもどってきません。炭酸ガス麻酔は、麻酔の容器からヘビを出せば、呼吸を始めて、比較的短時間で回復します。危険なマンバの採毒の時などにも使っています。ただ、体力の落ちているヘビなどでは、回復に時間がかかることもあります。そのような場合には、ヘビにも人工呼吸を行うことがあります。

ヘビの頸をつかんで腹側を上にして台の上に置き、体前方3分の1の部分を軽く圧迫すると肺の空気が出ていきます。口の中の気管が開いていれば、圧迫するのを止めれば空気が肺に入ってきますので、これを何回か繰り返せば回復します。麻酔がかかりすぎていると気管が開かず、空気は出ても肺に入ってこないことがあります。このような場合には、気管にチューブを突っ込んで、空気が入るようにしなければなりません。今回は全く気管が開かなかったのでかなり焦りました。

2008年のペットのグリーンマンバに咬まれた事件で押収してきたヘビで、来てから数ヶ月拒食していたのをなんとか食べるようにして、今では非常によく食べてくれます。少し苦労して飼育してきたヘビなので、そう簡単に死なせるわけにはいきません。麻酔のかけ過ぎには注意しましょう。

ちなみに下の写真は同じ個体なのですが、来たときには茶色だったのが、なぜか今では真っ黒になってしまいました。

By A.S.

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