蛇研裏話
(財)日本蛇族学術研究所のスタッフが書きまくる、表からは見えない面白話を更新中!!
今頃夜にマムシ咬症?
昨日、夜11時半頃に愛知県の病院から連絡があり、10時頃マムシに咬まれた患者が今から来るということでした。今でも昼間はまだ暖かいのでマムシが出ることもありますが、夜は気温もけっこう下がるためほとんど出ることはありません。しかも庭で咬まれたということで、今頃にしてはめずらしいと思います。昼間出てきたのが、暗くなってもねぐらに帰れず徘徊していたのかもしれません。

今日の昼頃の段階では、血液検査の結果はほとんど変化はないようでしたが、腫れは膝まで拡がっていて、皮下出血もあるようでした。まだ血清は投与されていませんでしたが、これ以上拡がるようなら血清を投与した方が無難です。
腎不全などを起こさなくても足の腫れは回復が長引くこともしばしばあり、時には1ヶ月くらい歩けないこともあります。半年経過しても十分に回復せず、問題になっている症例もあります。

10月にマムシ咬症で病院から連絡があったのは、この1件だけです。ペットによる咬症でもない限り、今年は毒蛇咬症の連絡が入ることはないと思いますが、もうしばらくは暖かい日には出てくることもあると思いますので、農作業やキノコ採りの時には気をつけた方がよいかもしれません。

P.S. 上の記事を書いた後、夕方6時頃マムシに咬まれたという人から電話が入りました。咬まれたのは3時頃で、自分で手を出して咬まれたいうことで、手首まで腫れが拡がっていてマムシに間違いないようでした。もう咬症の連絡が入ることはないだろうと書いてすぐに連絡が入るとは・・・・・・。

By A.S.
マムシに気をつけて
昨日、昼頃に病院からの問い合わせが3件ありました。実際その日に咬まれたのは1件だけで、1件は2日前、もう1件は3日前に咬まれた症例でした。
最初の1件は、本人(農家のお年寄り)がヤマカガシに咬まれたということで来院したようですが、腫れが拡がってきており、明らかにマムシによるものでした。2件目はかかとを咬まれ、最初の病院では血清を使用しないで治療され、2日後には腫れが足全体に拡がってしまいました。3件目は、最初の病院でヤマカガシ咬症と診断されたようですが、治療されずに帰され、3日後には腫れが腕全体に拡がっていて、痛みもかなりあるようでした。これも明らかにマムシ咬症です。

確かに咬まれてから時間があまりたっていなければ、診断が難しこともありますが、少しでも症状があればしばらく様子を見ることが必要です。特にマムシ咬症では、あまり腫れていないということで、簡単な処置をして帰宅させられた症例で、その後悪化、時には重症になってしまことがしばしばあります。

当然、病院によっては毒蛇に咬まれた患者など診ることもあまり無いかもしれません。また、診断が難しいケースも多々あります。もし心配であれば早めに連絡してきてください。
3件目は幼児(6才)だったのですが、たぶん残りの夏休みは何もできず、いやな思い出の夏休みになることを考えると、かわいそうな気がします。

これからキャンプやハイキング、夜の昆虫採集などに出かけられる方は十分気をつけてください。

By A.S.

マムシ咬症
16,17日続けて病院からマムシ咬症の問い合わせが入りました。
16日は午前1時過ぎに電話があり、聞くと午前0時30分頃に咬まれたということでした。どうして真夜中に? 農家の人で田んぼの溝につまった草を取り除こうとして手を入れたときに指を咬まれたということでした。最近雨が多く、夜でも田んぼの管理をされていたのでしょうか。もちろん暗くてマムシかどうか、またヘビかどうかもわからないということでしたが、牙痕や症状からマムシに間違いないようでした。あまり時間も経っていないので、手首までくらいしか腫れていないようで、この時点で適切な処置をすればあまりひどくはならないと思います。

もう1例は朝7時頃にかかとを咬まれたということで、連絡のあった12時過ぎには大腿部まで腫れが拡がっていました。これもヘビは確認していませんでした。牙痕は3個で、1個は本人か前の病院でほじくったのか、はっきりしないということでした。少し離れた2個は少しかすったような傷ということでした。ですから牙痕ではほとんど判断はできませんでしたが、もちろん症状からマムシ咬症であることは間違いありません。腫れもかなり拡がっていたので血清治療を行わないと重症化する危険はあります。特に足の咬症でかなり腫れると、1ヶ月くらい歩けないという症例はけっこうあります。昨年もそのように長引いたのが数例ありました。

患者さんにとっては大変なことなので、少し悪い気もするのですが、いろいろな症例データが増えることはある意味ではありがたいことなので、このようなデータをできるだけ役立てたいと思います。

7,8月は咬症の多い時期で、夜に咬まれることもしばしばありますので、マムシのいるところでは長靴をはき、明かりや棒などでヘビがいないことを確認してから手を出すようにしてください。

By A.S.


毒蛇咬症
今年はヘビに咬まれた患者のことで病院からの問い合わせが、4月12日から昨日6月17日までに10件ほどありました。その中には無毒ヘビもあり、実際に毒が入って症状の見られたケースは、マムシによる3件だけでした。その内重症は1件だけで、お年寄りが転んだときに運悪く大腿部を咬まれ、短時間で水疱も出ていました。翌日には足全体が腫れ、血清を投与しました。その後、様態は安定し、幸いそれ以上ひどくならなかったようです。

昨日は夜11:20に病院から連絡が入りました。ちょうど風呂に入っていたのですが、もちろん緊急なので、そのまま風呂で10分ほど話をしていました。咬まれてから2時間半ほど経過していましたが、腫れは局所のみで、毒はあまり入らなかったようです。

これからは昨日のように夕方から夜にかけて、田畑や庭で咬まれる事故がしばしば起こります。患者はそれから病院へ行き、診察を受け、血液検査をしたり、経過観察していると徐々に進行し、そしてこちらに連絡されてくることになります。そのため連絡が夜遅くになることもあります。夜中の3時に連絡が入ったこともありました。一応携帯で夜中でも緊急連絡は受けていますが、時には“ヘビのエサは何ですか”とか“ヘビが嫌いな物(忌避剤)は何ですか”という質問を夜携帯にかけてこられる人がいますが、時間外では咬症など緊急の場合のみ受けていますので、くれぐれもこのような質問は携帯にかけてこないようにお願いします。

By A.S.
ヒメハブは危険動物じゃない?
 先日、ヒメハブによる咬症のことを書きましたが、病院から連絡のあったときに、ヒメハブは当然危険動物に指定されているので、無許可で飼育していれば条例違反です、ということを伝えました。消防からも連絡があり、一応同様に伝えておきましたが、翌朝病院に連絡したときに聞いたところ、警察に話をしたらヒメハブは危険動物に入っていないという返事だったそうです。
ありえない! と思いましたが、確かに危険動物のリストにはヒメハブという名前は載っていません。毒蛇全ての名前を書くとなると、何百もヘビの名前を書かなければいけなくなります。

 環境省のホームページから探すと、実際には危険動物で検索してもなかなか探せないのですが、動物愛護及び管理に関する法律施行令に、リストが載っています。その中では、ボア科は種類があげてありますが、コブラ科全種、くさりへび科全種などと書いてあります(なぜかこのリストではカタカナ表記とひらがな表記が混在しています)。
 確かにヘビのことを全く知らなければ、ヒメハブがクサリヘビ科のヘビで、毒蛇だということもわからないのかもしれませんが、ハブという名前がついているのだからちょっと考えると毒蛇だろうというのはわからなくもないのですが。それともクサリヘビ科というのがヘビの名前だと思ったのか。図鑑を見ればわかりますが、警察署に図鑑が置いてあるわけではないでしょうから、仕方ないかもしれません。いずれにしても法律があっても理解していなければ、そして一般に周知されていなければあまり意味はありません。

 昨年の他の2件、ウサンバラブッシュバイパーとヒメガラガラヘビ咬症も、結局うやむやになってしまいました。危険動物だけでなく、外来生物法もあり、また、ワシントン条約により規制されている動物もありますので、動物を買うときには、環境省のリストなどで確認してください。ペットショップでは良心的なところでなければ、もともと違法と知っていて売っているわけですので、後で罰金を払うことにならないように自分で気をつけてください。

By A.S.
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